派遣契約の途中で辞めたい場合はどうする?相談先と確認事項

有期の派遣契約の途中で辞めたい場合に、派遣先との派遣契約と雇用契約を分け、派遣会社へ相談する手順、やむを得ない事情、退職日までの確認事項を解説します。

契約期間の途中で退職したい事情を派遣会社の担当者へ相談する派遣社員
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派遣の契約期間中に辞めたいときは、まず雇用主である派遣会社へ相談します。派遣先へ先に退職を確定事項として伝えたり、無断欠勤して連絡を絶ったりせず、現在の雇用契約期間、辞めたい理由、希望する最終日を整理してください。

期間の定めがある労働契約は、合意した期間を前提としており、原則として契約期間中の退職には制約があります。ただし、やむを得ない事由がある場合や、派遣会社と退職日について合意できる場合など、途中で終了できることがあります。個別事情で判断が変わるため、「絶対に辞められない」とも「2週間前に言えば必ず辞められる」とも決めつけないことが重要です。

最初に2つの契約を分けて確認する

派遣では、次の契約が同時に関係します。

契約当事者確認すること
雇用契約派遣会社と派遣社員雇用期間、退職手続、給与・保険
労働者派遣契約派遣会社と派遣先派遣先で働く期間、業務、交代対応

派遣先での就業を終えることと、派遣会社を退職することが同じとは限りません。派遣先を変更して派遣会社との雇用を続ける選択肢がある場合もあります。雇用を続けながら職場を変えたい場合は派遣先変更の相談手順も確認してください。

すぐ相談したい事情

次のような事情がある場合は、満了まで我慢すると決めず、早めに派遣会社へ連絡します。

  • 心身の不調で就業継続が難しい
  • ハラスメントを受けている
  • 安全に関わる問題がある
  • 明示された仕事内容・勤務条件と実態が違う
  • 家族の介護など生活上の重大な変化がある
  • 通勤や配置の変化で継続が難しくなった

安全や健康に緊急性がある場合は、通常の担当者の返答を待つだけでなく、派遣会社の緊急窓口、派遣先の安全担当、医療機関、公的相談窓口などへ連絡してください。

体調不良やメンタル不調で、まず欠勤・休暇・休職を含めて整理したい場合は、体調不良で派遣を休みたい/辞めたいときの相談手順を確認してください。

有期契約の途中退職に関する基本

厚生労働省の労働契約ポータルでは、有期労働契約は原則として契約期間中に退職できないものの、やむを得ない事由がある場合は民法第628条により途中退職が可能と案内しています。

また、1年を超える期間の労働契約について、一定の契約を除き、契約開始から1年を経過した後は申し出により退職できる労働基準法附則第137条の仕組みがあります。自分が対象となるかは契約期間・契約区分を派遣会社や公的相談窓口へ確認してください。

派遣会社と本人が話し合い、合意した日で雇用契約を終了することもできます。まず、事情と希望日を伝えて調整することが現実的です。

派遣会社へ相談する6ステップ

1.契約書類を確認する

  • 雇用契約の開始日・満了日
  • 退職の申出期限と方法
  • 更新の有無
  • 相談窓口
  • 貸与品・寮・社会保険の手続き

2.辞めたい理由を事実で整理する

「合わない」だけではなく、いつから、何が起き、就業継続にどう影響しているかを整理します。

  • 仕事内容が説明と違う
  • 残業が契約時の説明より継続して多い
  • 体調を崩し、勤務継続が難しい
  • 家庭事情で現在の時間帯に働けない

診断書などが必要かは、派遣会社へ確認します。必要以上の医療・家庭情報を最初から広く伝える前に、手続き上必要な範囲を尋ねてください。

3.派遣会社へ面談を依頼する

現在の契約期間は〇月〇日までですが、
事情により就業継続が難しく、途中退職を相談したいです。
〇月〇日を希望日として、対応方法を話し合う時間を
いただけますか。

緊急性がある場合は、その点を最初に伝えます。

4.退職以外の調整案も確認する

退職だけでなく、次の対応で問題を解消できる場合があります。

  • 業務内容を契約どおりへ戻す
  • 勤務時間・就業場所を調整する
  • 一時的に休む
  • 派遣先を変更する
  • 現在の派遣就業だけを終了し、派遣会社との雇用を続ける

調整を希望しないほど状況が深刻な場合は、その理由を伝えます。選択肢を提示されたからといって、その場で同意する必要はありません。

5.合意内容を書面で確認する

途中退職に合意したら、少なくとも次を確認します。

  • 最終出勤日
  • 雇用契約の終了日
  • 有給休暇の扱い
  • 最終給与と交通費
  • 社会保険・雇用保険
  • 貸与品返却
  • 離職票・源泉徴収票
  • 寮を利用している場合の退去日

口頭だけで終えず、メールや書面で確認してください。

6.派遣先への伝え方を確認する

派遣先への連絡は、派遣会社と相談して行います。後任の手配は派遣会社と派遣先の調整事項であり、本人が後任を見つけられないから退職できないと一人で抱え込む必要はありません。

仕事内容・条件が違うことが理由の場合

求人情報と実際の条件が違う場合と、労働契約の締結時に個別に明示された労働条件が事実と違う場合では、法的な扱いが異なります。

労働基準法第15条により明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できるとされています。ただし、求人広告の表示だけで直ちに同条の条件相違になるとは限りません。

求人画面、労働条件通知書、就業条件明示書、実際の指示を並べ、派遣会社へ確認します。詳しい手順は派遣先で仕事内容や条件が違った場合で整理しています。

「損害賠償を請求する」と言われたら

途中退職したからといって、直ちに一律の違約金が確定するわけではありません。労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約は、労働基準法第16条で禁止されています。

一方、個別事情による実際の損害をめぐる問題は別に検討されることがあります。請求を示された場合は、その場で支払いに同意せず、次を確認してください。

  • 請求の根拠
  • 対象となる具体的な損害
  • 金額の計算
  • 契約書の該当箇所

書類を保存し、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、労働基準監督署、弁護士などへ相談します。

無断欠勤・連絡を絶つことの問題

連絡を絶つと、派遣会社が本人の安全を確認できず、退職日、最終給与、保険、貸与品返却などの手続きも進みにくくなります。

担当者へ連絡しにくい事情がある場合は、別の担当者、支店責任者、派遣会社の相談窓口、社外の相談窓口を利用します。ハラスメントをした本人だけを連絡先にする必要はありません。

契約途中の退職についてよくある質問

2週間前に言えば必ず辞められますか?

2週間の考え方は、期間の定めがない雇用契約に関する民法上の原則として案内されるものです。有期契約は扱いが異なるため、自分の契約期間と事情を確認し、派遣会社へ相談してください。

派遣先へ先に伝えてもよいですか?

雇用主は派遣会社です。緊急の安全連絡を除き、まず派遣会社と退職・就業終了の手順を確認し、派遣先への伝え方をそろえます。

有給休暇を使って辞められますか?

残日数、退職日、引き継ぎ、派遣会社の申請手順を確認します。有給の申請先は派遣会社です。詳しくは派遣社員の有給休暇を確認してください。

契約満了まであと少しなら、更新しない方がよいですか?

安全・健康上の緊急性がなく、満了まで働ける場合は、途中退職ではなく次回更新をしない選択肢があります。ただし、無理をして悪化させる必要はありません。現在の状況と満了日をもとに派遣会社へ相談します。

退職理由は詳しく話す必要がありますか?

途中退職の調整に必要な事情は伝えますが、私生活や病状をどこまで説明・証明する必要があるかは個別です。必要書類と利用目的を派遣会社へ確認してください。

まとめ

派遣契約の途中で辞めたいときは、派遣先ではなく雇用主である派遣会社へ相談します。自分の雇用契約期間、辞めたい事情、希望日を整理し、途中終了、条件調整、派遣先変更などの選択肢を確認してください。

有期契約は無期契約と退職ルールが異なりますが、やむを得ない事情や双方の合意で途中終了できる場合があります。安全・健康・ハラスメント・条件相違がある場合は、満了まで一人で我慢せず、社内外の相談窓口を利用してください。

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