派遣先都合で契約を途中終了されたら?雇用・休業手当・次の仕事

派遣先都合で契約を途中終了されたとき、派遣会社との雇用契約、休業手当、次の派遣先、解雇・退職の扱いを確認する順番を解説します。

派遣先都合の契約途中終了後に雇用契約と休業手当を確認する派遣社員
記事内容をもとに制作したイメージ画像です。
この記事には広告リンクを含む場合があります。評価や掲載順位は、広告報酬だけで決定しません。

派遣先から「今月で終了」「明日から来なくてよい」と言われても、派遣会社との雇用契約まで自動的に終了するとは限りません。まず派遣会社へ連絡し、派遣先での就業終了日、自分の雇用契約期間、終了までの賃金・休業の扱いを分けて確認してください。

厚生労働省は、派遣先と派遣会社の間の労働者派遣契約が中途解除されても、派遣労働者と派遣会社の雇用関係が直ちに終了するものではなく、労働契約期間も当然には短縮されないと案内しています。

まず3つの日付と契約を確認する

同じ「契約終了」という言葉でも、指している対象が異なります。

確認するもの当事者主な確認事項
労働者派遣契約派遣会社と派遣先本来の派遣期間、中途解除日、解除理由
雇用契約派遣会社と自分契約期間、満了日、雇用継続の有無
実際の就業派遣先と自分最終出勤日、勤怠、貸与品、引き継ぎ

派遣先の担当者から説明を受けたら、その場で退職届へ署名したり「派遣会社も退職します」と返答したりせず、雇用主である派遣会社へ事実を伝えます。

本日、派遣先の〇〇さんから、派遣先都合により
〇月〇日で就業終了と説明を受けました。
御社との雇用契約は〇月〇日までと認識しています。
雇用継続、終了日までの勤務・休業・賃金、
次の就業機会について書面で確認させてください。

連絡した日に確認する項目

  • 派遣先都合による終了で間違いないか
  • 派遣先での最終就業日
  • 派遣会社との雇用契約満了日
  • 次の派遣先、社内業務、研修を提示する予定
  • 次の就業まで出勤・待機・休業のどれになるか
  • 賃金または休業手当の有無と計算方法
  • 社会保険・雇用保険が継続するか
  • 派遣先から受け取る書類と貸与品の返却方法
  • 次回回答の担当者と期限

口頭説明だけの場合は、日時、説明者、理由、回答内容を記録し、メールで認識を確認します。労働条件通知書、就業条件明示書、勤務表、派遣会社とのメッセージも保存してください。

派遣会社が確認するべき対応

厚生労働省は、派遣契約が途中解除された場合、派遣会社に対して、派遣先と連携した新たな就業機会の確保、確保できない場合の休業などによる雇用維持、労働基準法等に基づく対応を求めています。

派遣先にも、派遣先都合で派遣契約を中途解除するとき、新たな就業機会の確保や、派遣会社が休業手当などを支払うために必要となる費用の負担などの措置が求められます。ただし、派遣社員が派遣先へ直接、休業手当を請求するという意味ではありません。雇用主である派遣会社へ、自分の雇用と支払いの扱いを確認します。

対応は個別の契約と状況によって異なります。次の仕事が必ずすぐ見つかる、元と同じ条件の仕事が必ず提示される、通常賃金が全額支払われると一律には決められません。

次の仕事を提示されたら確認する

新しい派遣先を提案されたら、急いで承諾する前に条件を書面で比較します。

比較項目確認する内容
開始日現在の就業終了日との空白期間
仕事内容職種、業務範囲、必要な経験
勤務条件勤務日、時間、残業、休日
就業場所勤務地、通勤時間、在宅勤務
賃金時給・月給、交通費、手当
契約雇用期間、派遣期間、更新条件

元の条件との差が大きい場合は、断る前に、どの条件が難しいか、別の紹介が可能か、断った後の雇用・休業の扱いを派遣会社へ確認してください。

登録型派遣と無期雇用派遣では、派遣先がない期間の雇用関係が異なることがあります。自分の契約区分が分からない場合は登録型派遣と常用型派遣の違いも確認してください。

休業になったときは支払いの根拠を確認する

派遣会社との雇用契約が残っている一方、次の仕事がなく、派遣会社から休むよう指示された場合は、次を確認します。

  • 休業の開始日と終了予定日
  • 休業を命じた理由
  • 出勤・研修・自宅待機の指示
  • 休業手当の対象日
  • 平均賃金の算定と支給率
  • 給与明細での表示と支払日

労働基準法26条では、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。ただし、すべての就業停止が同条の対象になるとは限りません。派遣労働者の場合は、雇用主である派遣会社について、他の派遣先へ就業させる可能性なども含めて個別に判断されます。

派遣先の操業停止に伴う休業との違いは派遣先が工場休業になったときの休業手当で整理しています。

解雇・退職を示された場合

「派遣先がなくなったので退職扱いにする」「退職届を出してほしい」と言われた場合は、誰の意思で、いつ、どの契約を、どの理由で終了するのかを確認します。

これは御社からの解雇通知でしょうか。
それとも、私に退職の申込みを求めているのでしょうか。
雇用契約の終了日、理由、根拠となる契約・規程を
書面で確認させてください。

退職届や合意書の表題だけで判断せず、離職理由、最終給与、社会保険、離職票の扱いを確認してから回答します。内容に納得できない場合は、その場で署名せず、公的相談窓口へ資料を持って相談してください。

雇用契約が終了した後の離職票と雇用保険は派遣契約満了後の失業保険も参考にできます。ただし、途中終了時の離職理由は個別事情によって判断が変わります。

返答がない・説明が食い違う場合

担当者から返答がない、派遣先と派遣会社が互いに責任を押し付ける、休業中の支払いを説明しない場合は、窓口を段階的に変えます。

  1. 派遣会社の担当者・コーディネーター
  2. 支店責任者・派遣元責任者・苦情処理窓口
  3. 都道府県労働局の需給調整事業担当
  4. 労働基準監督署または総合労働相談コーナー

相談先を判断できない場合、総合労働相談コーナーでは幅広い労働問題を受け付け、法令違反の疑いがある内容は権限を持つ担当部署へ取り次ぐと案内しています。相談時は契約書類、時系列、派遣会社の回答、給与明細を用意します。

派遣先都合の途中終了でよくある質問

明日から派遣先へ行かなくてもよいですか?

派遣先からの説明だけで無断欠勤と扱われないよう、派遣会社へ連絡し、最終就業日と翌日以降の出勤・待機指示を確認してください。安全上の緊急事態を除き、連絡記録を残します。

次の仕事が決まるまで通常の給与は全額出ますか?

一律ではありません。社内業務や研修を行うのか、休業になるのか、雇用契約・就業規則にどのような定めがあるかで変わります。休業の場合は、休業理由と休業手当の計算根拠を派遣会社へ確認します。

派遣先から終了理由を説明してもらえません

派遣会社へ、終了理由と派遣先から受けた説明を書面で確認します。自分の雇用・賃金・次の仕事に関する回答期限も設定してください。

次の派遣先を断ると自己都合退職になりますか?

提案を断った事実だけで離職理由が一律に決まるとは限りません。提示された仕事内容・勤務地・賃金、断った理由、その後の雇用関係を記録し、離職する場合は離職票の記載を確認してください。

まとめ

派遣先都合で契約を途中終了されたら、派遣先での就業終了と派遣会社との雇用契約を分けて確認します。派遣契約の解除だけで、雇用契約や契約期間が自動的に終了するわけではありません。

派遣会社へ、雇用継続、次の仕事、待機・休業、賃金・休業手当、社会保険を順番に確認し、回答を記録してください。解雇や退職届を示されたときは即答せず、終了の意思と理由を書面で確認し、説明が進まない場合は都道府県労働局などの公的窓口へ相談しましょう。

参考情報