扶養内派遣の条件確認ガイド
扶養内の派遣は週何日?求人票から勤務時間を決める手順
扶養内で働ける共通の週日数はありません。税、社会保険の被扶養者、本人の社会保険・雇用保険を分け、求人票から所定時間と見込み収入を確認する手順を解説します。

扶養内の派遣に「週3日まで」「週19時間まで」という共通の答えはありません。何日働けるかは、時給、1日の所定時間、契約期間、諸手当・賞与と、どの税・保険制度を確認したいかで変わります。
最初に「扶養」が、本人の所得税、配偶者の税控除、健康保険の被扶養者のどれを指すかを分けます。そのうえで、本人が勤務先の社会保険や雇用保険へ加入する条件も別に確認します。
先に結論:週日数より四つの制度を分ける
| 確認する制度 | 何を判断するか | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 本人の所得税 | 自分の所得税が発生するか | 国税庁、税務署 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除 | 配偶者側の所得控除の額 | 国税庁、税務署 |
| 健康保険の被扶養者 | 配偶者などの健康保険の扶養に入れるか | 加入する健康保険、配偶者の勤務先 |
| 本人の社会保険・雇用保険 | 派遣元で加入対象になるか | 雇用主である派遣元 |
税の「扶養」と健康保険の被扶養者は同じ制度ではありません。また、週20時間はすべての制度に共通する「扶養の線」でもありません。
求人票から勤務条件を作る5ステップ
1. 1日の所定労働時間を出す
終業時刻 − 始業時刻 − 休憩時間 = 1日の所定労働時間
9時から15時で休憩なしなら6時間、9時から16時で休憩1時間なら6時間です。拘束時間と労働時間を混同しないようにします。
2. 週の所定労働時間を出す
1日の所定労働時間 × 週の所定日数 = 週の所定労働時間
| 勤務例 | 週の所定労働時間 | この表から言えること |
|---|---|---|
| 1日6時間 × 週3日 | 18時間 | 週20時間未満 |
| 1日5時間 × 週4日 | 20時間 | 週20時間以上 |
| 1日4時間 × 週5日 | 20時間 | 週20時間以上 |
これは週20時間の条件を確認する計算例です。18時間なら必ず扶養内、20時間なら必ず扶養から外れる、という意味ではありません。
3. 契約見込み収入を確認する
時給だけでなく、労働条件通知書などから契約期間中の賃金を確認します。
時給 × 所定労働時間 + 諸手当 + 賞与など = 契約から見込む収入
毎週必ず同じ日数とは限らない場合は、月の所定日数やシフト周期を使います。年収上限を時給と52週で割るだけでは、手当、賞与、契約更新、時給変更を落とすため、扶養内を保証する計算にはなりません。
4. 雇用主である派遣元の条件を確認する
派遣では、雇用契約を結び、賃金を払い、社会・労働保険の手続きを行うのは派遣元です。派遣先の従業員数ではなく、派遣元が社会保険の適用条件に該当するかを確認します。
5. どの制度を優先するか決める
「税負担を確認したい」「健康保険の被扶養者でいたい」「本人の社会保険へ加入して保障を持ちたい」では、見る条件が異なります。手取り額だけでなく、健康保険、厚生年金、傷病手当金などの保障、働ける時間、今後の契約も含めて判断します。
- 始業・終業時刻と休憩時間
- 1日の所定労働時間
- 週または月の所定労働日数
- 時給と契約期間
- 通勤手当などの諸手当と賞与
- 契約更新・時給変更の可能性
- 雇用主となる派遣元の名称
- 派遣元での社会保険加入条件と資格取得予定日
- 配偶者が加入する健康保険の被扶養者認定条件
- 税について確認する年分と所得の種類
2026年8月時点の本人の社会保険
短時間労働者が健康保険・厚生年金保険の加入対象になるかは、通常の労働者の4分の3以上働く基準のほか、短時間労働者向けの条件で確認します。
2026年8月時点では、原則として次の条件などが関係します。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2か月を超える雇用の見込みがある
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 学生ではないなどの条件を満たす
- 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働く
企業規模の数え方や任意適用など例外もあります。派遣では派遣元について確認してください。通常の労働者の4分の3以上働く場合は、短時間労働者向け条件とは別の基準で加入対象になります。
2026年10月に変わる条件
2026年10月には、短時間労働者の社会保険加入条件から月額8.8万円以上という賃金要件が撤廃される予定です。週20時間以上、2か月を超える雇用見込み、学生ではないこと、企業規模などの条件が同時にすべてなくなるわけではありません。
| 条件 | 2026年9月まで | 2026年10月以降の予定 |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上 | 20時間以上 |
| 月額8.8万円以上 | 条件あり | 撤廃予定 |
| 企業規模 | 原則51人以上 | 2027年9月までは原則51人以上 |
| 雇用見込み | 2か月超 | 2か月超 |
改正の全体像と企業規模の段階的な変更は2026年10月の「106万円の壁」で確認できます。
健康保険の被扶養者は130万円「未満」が基本
健康保険の被扶養者認定では、原則として年間収入130万円未満などの収入・生計維持条件を確認します。60歳以上または一定の障害がある場合などは基準が異なります。
2026年4月以降、労働条件通知書などから見込まれる年間収入で判定する取扱いが示されていますが、給与以外の収入がないこと、主として被保険者に生計を維持されていることなどの条件があります。諸手当や賞与も含めて確認し、「130万円以内なら必ず被扶養者」とは考えないでください。
また、本人が派遣元の健康保険・厚生年金保険の加入対象になる場合は、年収130万円未満だけで被扶養者に残れるとは限りません。配偶者の健康保険と派遣元の両方へ確認します。
税金は「178万円=扶養上限」ではない
国税庁の2026年分の案内では、給与収入だけでほかに所得がない場合、給与収入178万円以下なら本人の所得税は原則かからないとされています。ただし、178万円は「配偶者の扶養に入れる上限」ではありません。
配偶者控除・配偶者特別控除は、本人と配偶者それぞれの所得、納税者本人の所得、対象年分などで控除額が変わります。住民税も所得税とは別です。「103万円」「150万円」など過去年分の数字をそのまま使わず、国税庁の対象年分の表と自治体の案内を確認してください。
雇用保険の週20時間も別の判定
雇用保険は、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある場合に被保険者となります。健康保険の被扶養者や税の扶養とは別の制度です。
週20時間が出てきたら、本人の社会保険の条件なのか、雇用保険の条件なのかを分けてください。加入手続きは雇用主である派遣元へ確認します。
確認先を間違えない
| 質問 | 確認先 | 伝える情報 |
|---|---|---|
| 本人の所得税 | 国税庁、税務署 | 対象年分、給与・その他の所得 |
| 配偶者控除等 | 国税庁、税務署 | 本人・配偶者双方の所得見込み |
| 健康保険の被扶養者 | 配偶者の勤務先・健康保険 | 労働条件通知書、収入見込み、他の収入 |
| 本人の社会保険 | 派遣元 | 週時間、賃金、契約期間、学生区分 |
| 雇用保険 | 派遣元 | 週時間、雇用見込み |
| 住民税 | 市区町村 | 対象年度、前年所得 |
求人担当者に「扶養内ですか」とだけ聞くのではなく、勤務条件を確認し、税・保険の認定はそれぞれの窓口へ確認します。
テンプスタッフで求人を見るとき
テンプスタッフ公式には、週4日以下や短時間などの条件で探せる求人特集があります。掲載中の求人は変動し、希望地域や職種に短時間求人があること、希望したシフトで就業できることは保証されません。
候補求人では、勤務日数、1日の時間、時給、契約期間、諸手当・賞与、社会保険加入条件を確認します。「扶養内」の表示がある場合も、自分が確認したい税・保険制度と条件が合うか、担当者と各制度の窓口へ確認してください。
まとめ
扶養内の派遣に共通する週日数はありません。本人の所得税、配偶者の税控除、健康保険の被扶養者、本人の社会保険・雇用保険を分けて確認します。
求人票から、1日の所定時間、週の所定時間、契約期間、諸手当・賞与を含む収入見込みを整理してください。週3日や週19時間を一律の答えにせず、税は国税庁・税務署、被扶養者は配偶者の健康保険、本人の保険は雇用主である派遣元へ確認しましょう。