製造・軽作業の基礎ガイド
派遣の仕事が決まった後、就業開始前に辞退できる?契約前後の確認手順
派遣の仕事が決まった後に就業開始前の辞退を考えたとき、雇用契約締結前と締結後を分け、派遣会社への連絡順、確認する書類、伝え方を解説します。

派遣の仕事が決まった後でも、就業開始前に働けない事情が生じたら、まず雇用主となる派遣会社へ連絡します。ただし、「求人への応募を取り下げる段階」と「派遣会社との雇用契約を締結した後」では確認事項が異なります。
派遣先へ自分だけで連絡したり、初日に無断で行かなかったりせず、契約の成立状況と開始日を派遣会社へ確認してください。
まだ応募・社内確認・職場見学の段階で雇用契約が成立していない場合は、派遣求人の応募・選考を辞退する手順を確認してください。
先に確認する3点
- 派遣会社との雇用契約を締結したか
- 労働条件通知書・就業条件明示書を受け取ったか
- 就業開始日、契約期間、退職に関する記載はどうなっているか
厚生労働省は、派遣労働者について、労働契約締結時の労働条件明示と、派遣就業に関する就業条件の明示をそれぞれ求めています。書類名だけで判断せず、いつ、どの内容に合意したかを確認します。
労働契約は、書面への署名だけでなく、労働者と使用者が労働と賃金について合意することで成立します。承諾メールや電話で伝えた内容も含め、どの時点で何に合意したかを確認してください。
契約前と契約後を分ける
| 状況 | 最初にすること | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 仕事の案内・社内選考中 | 担当者へ選考辞退を連絡 | 他の応募への影響、今後の紹介希望 |
| 仕事決定後・雇用契約前 | 就業意思を撤回したいとすぐ連絡 | 契約締結前か、派遣先への連絡方法 |
| 雇用契約締結後・就業前 | 辞退ではなく契約上の扱いを相談 | 契約期間、退職手続、開始日までの対応 |
| 就業開始後 | 契約途中の退職として相談 | やむを得ない事情、引継ぎ、最終就業日 |
「仕事が決まった」という言葉は、派遣会社内の決定、派遣先との調整完了、雇用契約締結を混同しやすい表現です。担当者へ「雇用契約は成立していますか」と明確に確認しましょう。
連絡は分かった時点で行う
辞退する事情が固まったら、就業開始日の直前まで待たずに連絡します。営業時間内は電話など派遣会社が指定する方法を優先し、つながらない場合はメールやマイページにも記録を残します。
〇月〇日開始予定の〇〇の仕事についてご相談があります。
事情により予定どおり就業することが難しくなりました。
現在、雇用契約が成立しているかと、必要な手続きを確認したいです。
担当者の方からご連絡をいただけますでしょうか。
理由は事実に沿って簡潔に伝えます。病気、家族事情、他社での就職など、伝えられる範囲を示し、虚偽の理由は使わないようにします。
労働条件が説明と違う場合
明示された労働条件と実際の条件が違う場合は、相違点が分かる求人票、メール、労働条件通知書を保存して派遣会社へ示します。
厚生労働省は、明示された労働条件が事実と異なる場合、労働基準法第15条第2項により労働者が即時に労働契約を解除できると説明しています。ただし、単なる希望変更と「明示条件が事実と違う場合」は別です。個別事情は労働局や労働基準監督署などへ相談してください。
条件相違が理由の場合は、派遣先で仕事内容や条件が違った場合も確認してください。
派遣先へ直接連絡しない
派遣労働者の雇用主は派遣会社です。派遣先との調整は原則として派遣会社を通します。派遣先の担当者へ直接辞退を伝えるよう派遣会社から指示された場合は、連絡先、伝える範囲、派遣会社も同席・共有するかを確認します。
就業開始前の辞退でよくある質問
辞退したら違約金を請求されますか?
使用者は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることはできません。一方、実際に発生した損害についての請求まで一律に禁止する規定ではありません。
請求を受けたときは、根拠となる契約条項、実際に発生したとする損害、金額の内訳を書面で確認してください。その場で支払うと約束せず、必要に応じて労働局の総合労働相談コーナーなどへ相談します。
次の仕事を紹介してもらえなくなりますか?
今後の紹介は派遣会社の判断や求人条件にもよります。無断欠勤を避け、判明時点で事情と今後の就業希望を伝えることが重要です。
初日に行ってから辞めた方がよいですか?
働けないことが分かっているのに、手続きを確認せず就業を始める必要はありません。契約の状況を派遣会社へ伝え、開始前に対応を相談してください。
まとめ
就業開始前に辞退したいときは、応募段階、雇用契約前、雇用契約後を分けます。労働条件通知書と就業条件明示書を確認し、派遣会社へ早く連絡してください。
雇用契約締結後であれば、単なる応募辞退ではなく契約上の手続きとなる可能性があります。無断で就業しない、派遣先へ単独で連絡する、といった対応は避け、開始日までの扱いを記録に残しましょう。