派遣会社のマージン率とは?派遣料金と時給の差・確認方法

派遣会社のマージン率の計算式、派遣料金と賃金の違い、社会保険料や教育訓練費などの内訳、会社・事業所ごとの調べ方と比較項目を解説します。

派遣会社のマージン率と賃金の内訳を資料で比較する求職者
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派遣会社のマージン率は、派遣先が派遣会社へ支払う派遣料金のうち、派遣社員へ支払う賃金以外が占める割合です。ただし、その差額がすべて派遣会社の利益になるわけではありません。

厚生労働省は、マージンに派遣会社が負担する社会保険料、教育訓練費、福利厚生費、社員の人件費などが含まれると説明しています。そのため、数字の低さだけで派遣会社を選ばず、平均賃金、教育訓練、福利厚生なども一緒に確認することが大切です。

2026年6月には、公正取引委員会が労働者派遣役務の提供事業者へ立入検査を行ったことを明らかにしました。ただし、公取委は同月3日の会見で「事件審査中」としており、違反の有無や対象事業者の責任について結論を示していません。この記事では個別企業の評価ではなく、公開情報を自分で確かめる方法を解説します。

派遣会社のマージン率の計算式

公開されるマージン率は、派遣料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額から、次の式で計算します。

(派遣料金の平均額 − 派遣労働者の賃金の平均額)÷ 派遣料金の平均額 × 100 = マージン率

たとえば、1日8時間あたりの派遣料金の平均額が24,000円、賃金の平均額が14,400円なら、計算上のマージン率は40%です。

(24,000円 − 14,400円)÷ 24,000円 × 100 = 40%

差額は9,600円ですが、これをそのまま派遣会社の利益とは判断できません。会社負担の保険料、教育訓練や福利厚生、派遣スタッフを支える担当者の人件費なども、この差額から支出されるためです。

マージンに含まれる主な費用

厚生労働省の資料では、マージンに含まれる費用の例として、次の項目が示されています。

項目主な内容確認したいこと
社会保険料派遣会社が負担する厚生年金保険料・健康保険料加入条件、加入日、利用する健康保険
労働保険料派遣会社が負担する雇用保険料・労災保険料雇用保険の加入条件、労災時の連絡先
教育訓練費入職時研修、職種別研修、キャリア形成支援対象者、内容、受講時間の扱い、費用
福利厚生費健康診断、有給休暇取得時の費用、各種制度など利用条件、自己負担、申請方法
運営費営業担当者・コーディネーターなどの人件費、募集や事務の費用就業中の相談体制、担当者の支援範囲
営業利益上記の費用などを支払った後に残る利益公開されたマージン率だけでは金額を特定できない

マージン率が同じ会社でも、教育訓練や相談体制へ使う割合は同じとは限りません。反対に、マージン率が低くても、平均賃金や支援内容が自分の希望に合うとは限りません。

マージン率は低ければよいとは限らない

厚生労働省は、マージン率をその他の情報と組み合わせて総合的に評価することが重要だと案内しています。比較するときは、少なくとも次の項目を同じ表へ並べます。

  • 派遣料金の平均額と賃金の平均額
  • マージン率の対象期間と事業所名
  • 教育訓練の内容、対象者、費用負担、受講時間の扱い
  • キャリア相談や就業中のフォロー体制
  • 健康診断、有給休暇、福利厚生の利用条件
  • 交通費、賞与、退職金相当額の扱い
  • 労使協定方式を採用している場合の対象範囲と有効期間
  • 希望地域・職種の求人件数と提示される時給

たとえば、研修が豊富でも希望職種と関係がなければ、自分にとっての利点は小さくなります。「教育訓練あり」という名称だけでなく、受けられる人、内容、時期、賃金の扱いまで確認しましょう。

法定のキャリア形成支援について、受講対象、年間の機会、有給・無償の扱いまで確認する場合は、派遣社員の教育訓練・キャリア形成支援を参照してください。

派遣会社全体の特徴を比べる場合は派遣会社3社の比較、事務職の仕事紹介や登録方法を確認する場合はテンプスタッフの特徴も参考にしてください。

会社・事業所ごとのマージン率を調べる方法

派遣会社には、マージン率を含む法定情報を、原則としてインターネットで常時提供することが求められています。次の順番で調べると見つけやすくなります。

1.派遣会社の公式サイトで検索する

検索欄やサイト内検索で、次の言葉を使います。

会社名 マージン率
会社名 情報提供 労働者派遣法第23条第5項
会社名 事業所名 マージン率

「会社情報」「情報公開」「労働者派遣事業に係る情報提供」などのページに、事業所別のPDFが掲載されている場合があります。本社の数字だけで判断せず、自分が登録する支店・事業所の名称、所在地、対象年度が一致するか確認してください。

2.人材サービス総合サイトで探す

公式サイトで見つからない場合は、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」で、事業主名や許可番号、所在地から検索します。同じ会社に複数の事業所がある場合は、登録先や求人を扱う事業所を選びます。

3.公開資料の年度と算出単位を確認する

資料を開いたら、次の順に読みます。

  1. 派遣元事業所の名称と所在地
  2. 対象となる事業年度・期間
  3. 派遣料金の平均額と賃金の平均額
  4. 1日8時間換算などの算出単位
  5. マージン率
  6. 教育訓練とキャリア形成支援の内容
  7. 労使協定の有無、対象範囲、有効期間

情報が古い、事業所が違う、項目の意味が分からない場合は、派遣会社の登録窓口へ資料名を示して確認します。

派遣料金の明示と時給は別の情報

派遣料金は、派遣先が派遣会社へ支払う対価です。賃金は、雇用主である派遣会社が派遣社員へ支払う給与です。

項目派遣料金賃金・時給
支払う側派遣先派遣会社
受け取る側派遣会社派遣社員
主な確認資料派遣料金額の明示、マージン率等の公開資料労働条件通知書、給与明細、求人票
金額の意味派遣サービスに対して支払われる料金労働の対価として本人へ支払われる金額

派遣社員には、雇入れ時、派遣開始時、派遣料金が変わったときなど、法令で定める時点に派遣料金額が明示されます。明示されるのは、本人に関する料金額、またはその事業所における派遣料金の平均額です。

ここで派遣料金が1時間3,000円、本人の時給が1,800円と示されても、差額1,200円が1時間あたりの利益になるわけではありません。また、事業所平均が明示された場合は、そもそも本人の派遣料金ではありません。

自分の求人条件を比べるときは、派遣料金だけでなく、時給、実働時間、交通費、残業、契約期間、社会保険を確認してください。現在の相場と比較項目は派遣の平均時給ガイドで整理しています。

登録前・就業前の確認手順

公開情報を見つけたら、次の順に判断材料へ変えます。

  1. 登録予定の事業所と公開資料の事業所が同じか確認する
  2. マージン率、平均賃金、対象年度を記録する
  3. 教育訓練、福利厚生、相談体制の具体的な利用条件を確認する
  4. 自分が応募できる同地域・同職種の求人時給と比べる
  5. 不明点を登録面談や担当者への質問として整理する
  6. 紹介された求人では、労働条件通知書と派遣料金額の明示を別々に確認する

質問するときは、率の高低を責めるのではなく、差額に含まれる支援を自分が利用できるか聞くと、実際の比較につながります。

公開されているマージン率等の資料を確認しました。
私が登録する事業所で受けられる教育訓練と、
就業後の相談体制を教えてください。
受講時間の賃金や費用負担についても確認したいです。

よくある質問

マージン率が高い派遣会社は避けるべきですか?

率だけでは判断できません。会社負担の社会保険料、教育訓練、福利厚生、社員の人件費などもマージンに含まれます。平均賃金と、自分が実際に利用できる支援を合わせて比較してください。

派遣料金と時給の差額は、すべて派遣会社の利益ですか?

いいえ。差額から社会保険料や労働保険料、教育訓練費、福利厚生費、運営費などが支払われます。公開されたマージン率だけで営業利益を計算することはできません。

同じ派遣会社なら全国でマージン率は同じですか?

必ずしも同じではありません。情報は事業所ごとに確認します。会社名だけでなく、登録する支店・事業所、所在地、対象期間を照合してください。

自分の時給が平均賃金より低いのは問題ですか?

公開値は、事業所で働く派遣労働者全体の平均です。職種、地域、経験、勤務時間などが違えば個人の賃金も異なります。平均との違いだけで法令違反とは判断できません。自分の待遇の決め方や評価基準は派遣会社へ確認し、見直しを希望する場合は派遣の時給交渉ガイドも参考にしてください。

まとめ

派遣会社のマージン率は、派遣料金の平均額から賃金の平均額を引き、派遣料金の平均額で割った割合です。ただし、差額には社会保険料、教育訓練費、福利厚生費、運営費などが含まれるため、利益率とは異なります。

登録先を比較するときは、事業所と年度をそろえ、平均賃金、教育訓練、福利厚生、相談体制、実際の求人条件まで確認してください。派遣料金の明示を受けた場合も、自分の賃金を示す労働条件通知書とは別の情報として読み分けることが重要です。

参考情報