製造・軽作業の基礎ガイド
三大都市圏の派遣平均時給は1,720円|求人比較の5項目【2026年6月】
2026年6月の三大都市圏における派遣平均時給1,720円の調査結果をもとに、月収、交通費、残業、契約期間、社会保険まで求人を比較する方法を解説します。

エン株式会社が「エン派遣」に掲載された求人を集計した結果、2026年6月の三大都市圏における募集時平均時給は1,720円でした。前月より3円、前年同月より16円上がり、2か月連続で過去最高とされています。
ただし、1,720円は全国の派遣社員が実際に受け取った時給ではありません。三大都市圏の掲載求人を職種横断で集計した「募集時」の平均です。専門性の高い求人の構成比が変わるだけでも平均は動くため、自分が希望する地域・職種・経験条件に絞って比較する必要があります。
平均時給1,720円から分かること・分からないこと
| 分かること | この数字だけでは分からないこと |
|---|---|
| 三大都市圏の掲載求人全体の動き | 自分の地域・職種の相場 |
| 前月・前年同月との募集条件の変化 | 実際に就業した人の時給 |
| 職種構成を含めた市場の傾向 | 交通費、賞与、退職金の扱い |
| 高時給求人が増減している可能性 | 月の勤務日数や残業を含む手取り |
同調査では、オフィスワーク・事務系が1,709円、IT・エンジニア系が2,809円でした。事務系では経験者向け求人、IT系では開発やプロジェクト管理など難度の高い求人が平均を押し上げたと説明されています。
一方、「軽作業・物流・工場・その他」は、職種別に見て前年同月比・前月比の両方が上がったグループには含まれていません。全体平均だけを見て、工場や軽作業でも同じペースで時給が上がっていると判断しないようにしましょう。
時給だけで決めない求人比較の5項目
1.実働時間から月収を計算する
求人票の時給が高くても、1日の実働時間や月の勤務日数が短ければ月収は下がります。まずは同じ条件にそろえて比べます。
時給 × 1日の実働時間 × 月の勤務日数 = 残業を含まない月収の目安
たとえば時給1,720円、実働7時間30分、月20日の場合、月収の目安は258,000円です。ここから税金や社会保険料などが差し引かれるため、この金額が手取りになるわけではありません。
| 求人 | 時給 | 実働 | 月20日の月収目安 |
|---|---|---|---|
| A | 1,720円 | 7時間30分 | 258,000円 |
| B | 1,650円 | 8時間 | 264,000円 |
| C | 1,800円 | 7時間 | 252,000円 |
時給の順番と月収の順番が一致しない例です。休憩時間は通常、実働時間に含まれないため、勤務時間と実働時間を分けて確認してください。
2.交通費が別に支給されるか確認する
交通費が時給とは別に支給される求人と、待遇の説明上、時給等に含めて扱われる求人では、実質的な負担が変わります。
- 交通費は時給と別に支給されるか
- 1日・1か月の上限があるか
- 電車、バス、車、バイクで計算方法が違うか
- 駐車場代やガソリン代を自己負担するか
- 研修や職場見学の移動費はどうなるか
片道500円を月20日通勤すると、往復交通費は月20,000円です。時給差が小さい求人では、交通費の条件で実際に残る金額が逆転することがあります。
別支給・上限・時給換算の見分け方は派遣の交通費の確認方法で詳しく整理しています。
3.残業の有無と割増賃金を分けて考える
「月収例30万円」という表示に残業代や深夜割増が含まれている場合、残業なしの基本月収とは比較できません。
確認したいのは、平均残業時間だけではなく、繁忙期の上限、残業を断れる条件、所定労働時間を超えたときの計算方法です。工場の交替勤務では、深夜帯の時間と深夜割増も分けて確認します。
月収例を比較するときは、次のように分解してください。
- 通常時間の賃金
- 時間外労働の割増賃金
- 深夜・休日労働の割増賃金
- 交通費や各種手当
- 入社祝い金など一時的な支給
4.契約期間と更新の見込みを確認する
3か月限定の高時給求人と、更新を重ねながら長く働ける求人では、年間収入の安定性が異なります。
- 最初の契約期間
- 更新の有無と判断基準
- 更新回数や通算契約期間の上限
- 勤務開始日までの待機期間
- 契約終了後に次の仕事を紹介してもらえるか
「長期」と書かれていても、無期雇用を意味するとは限りません。労働条件通知書や就業条件明示書で、契約期間と更新基準を確認しましょう。
5.社会保険・有給休暇・待遇を確認する
同じ時給でも、加入する保険、休暇、教育訓練、福利厚生の利用条件によって働きやすさは変わります。
| 項目 | 確認する質問 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金 | いつから加入し、保険料はいつの給与から引かれるか |
| 雇用保険 | 加入条件を満たしているか |
| 有給休暇 | 付与日、日数、申請方法 |
| 教育訓練 | 受講対象、時間の扱い、費用 |
| 賞与・退職金 | 時給に含むか、別に支給するか |
| 福利厚生 | 食堂、休憩室、駐車場などの利用条件 |
加入条件を満たす社会保険は、手取りだけでなく、医療や将来の年金、失業時の給付などにも関係します。「引かれる金額が少ない求人」だけを基準にせず、保障も含めて比べてください。
自分の相場を調べる3ステップ
条件を固定して複数サイトを見る
同じ地域、職種、経験条件、勤務時間で検索し、少なくとも10件程度を一覧にします。時給の高い順だけではなく、中央値に近い求人や繰り返し掲載されている条件も確認します。
高時給の理由を特定する
高時給には、専門スキル、夜勤、交替勤務、短期、繁忙期、通勤しにくい立地などの理由がある場合があります。条件を外したときに時給がどう変わるかを見ると、自分が何と引き換えに高い時給を得るのか整理できます。
派遣会社へ比較条件を伝える
派遣会社には「時給1,700円以上」だけでなく、「実働8時間以内、交通費別、残業月10時間以内、3か月以上」など優先順位を伝えます。条件がすべてそろわない場合に、どこまで調整できるかも確認しましょう。
よくある質問
派遣なら全国どこでも時給1,720円が目安ですか?
いいえ。三大都市圏の掲載求人を集計した平均で、全国一律の相場ではありません。希望地域と職種をそろえた求人群で確認してください。
平均時給より低い求人は避けるべきですか?
平均には高時給の専門職も含まれます。交通費、実働時間、通勤時間、残業、契約の安定性などを含め、自分の条件に対して妥当か判断します。
「月収例」はそのまま受け取れる金額ですか?
通常は手取りではありません。勤務日数、残業、深夜割増、一時金などの前提を確認し、税金や社会保険料が引かれる前の金額かを確認してください。
まとめ
2026年6月の三大都市圏における派遣募集時平均時給は1,720円でした。ただし、平均値は市場全体の動きを見る材料であり、自分の求人選びの答えではありません。
時給、実働時間、交通費、残業、契約期間、社会保険を同じ表に並べ、月収と働き方の両方を比べることが重要です。個別の求人を確認する場合は派遣求人票の見方、現在の時給を相談する場合は派遣の時給交渉ガイドも確認してください。法的な下限は、勤務する派遣先の所在地を基準に派遣社員の最低賃金ガイドで確認できます。